しばらく「原発銀座」と呼ばれる福井県をうろついていた。また旅に出たのだ。 福島の原発事故で痛感させられたのは、自分の知識のなさだった。原発がドカンと爆発したその日、さすがにイソジンは「アホくさ」とスルーしたけれど、昆布は思わず買ってしまった。その日の夕食は、昆布ダシの鍋物だった。 隣県の土地がこの事故によって、あっという間に汚染されてしまった。浜通りは冬でも暖かく、いわき市などは東北なのにヤシの木が植えられている。雪で気が狂いそうなときは、とりあえず温暖な浜通りによく避難していた。 その豊かな土地が一瞬にして危機に陥った。その原因となった原子力発電所とはなんだったのだろう。今さらながら、一から勉強したくなって、日々の仕事をしつつ福井の敦賀市に向かった。 敦賀市には、敦賀原発や問題の多い「もんじゅ」や廃炉した「ふげん」がある。その隣の美浜町にも美浜原発がある。原発が集中している地域で、原発関
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