「女性が仕事をすると出生率が下がる」のウソ 【海老原】権丈先生がすごいのは、血の通わない経済学の定説に対して、しっかりと反論をして、「より現実に近い」話をして下さるところですね。たとえば、「女性が仕事をすると、出生率は下がる」なんて話が、かつては統計データの分析から語られていました。でも、そんな「常識」が、ある時期から綻びを見せだした。数字しかいじっていないダメな学者は、この変化を説明できませんでしたね。 【権丈】今回海老原さんが、豊富なデータを用いて、女性のキャリアや生き方を応援しようという本をお書きになられたこと、とても嬉しく思っています。「女性が仕事をすると、出生率が下がる」ということについては、必ずしもそうとは言えない、要は制度、政策次第ということを最初にお話ししたいと思います。 女性が働く国のほうが、出生率が高い 【権丈】先進諸国で国際比較をすると、1970年代には女性の労働力率