俺が何でこの問題に関心があるかといえば、もちろん「日本の若者はビートルズを聞いてなかった」ということに関心があるだけでなく、日本史全般の問題としてこのようなことは起こりうると思うから。特に今は「創られた伝統」論が流行しているからこの手の話は受け入れられやすい。それによって新たな歴史の視点が与えられることもあるけれど、歴史が歪められてしまう危険性もあるだろう。 さて「当時の若者はビートルズを聴いていなかったのか」というのが論点ならば、俺はそんなことはない、聴いていただろうと思う。 ただ「聴いていた」というのはどういうことか?というのが曲者だろう。定義によってずいぶんと幅が広いように思われる。 たとえば俺の世代は都はるみの「北の宿から」や千昌夫の「北国の春」を「聴いていた」。まあ全員が聴いていたとは言えないかもしれないけれど、テレビやラジオの歌番組で流れるので自然に耳に入ってくる。だからといっ