おれが小六のころ、男子には二種類いた。グンゼとカルバン・クラインだ。グンゼならお母さんに頭が上がらない子だし、カルバン・クラインなら流行に流されやすい子だった。全員がどちらかだった。 体育前の着替えではカルバン・クラインはそれなりに堂々としていたし、グンゼならすこし恥ずかしがっていた。いじめっ子のタカハシもこのときだけは小さくなっていたし、ヒョロいワダはいつもより目が輝いていた。 ただソウマだけはちょっと違った。グンゼを恥ずかしがらずにむしろグンゼを生かしていたと言える。チンコを股にはさみ、グンゼの両端をぐいとひきあげTバック状態にして「ハイレグー」なんてやっていたのだ。学年で一番の美少女の名前を口にしながらくねくね歩いていた。「ユミコー!」「わははは」みんなで笑っていた。 ある日、女子代表のスズキが仲間数人と一緒にソウマを取り囲んでいた。 「あたしらが何も知らないとでも思ってんの!」 「