・新世界より 上 ・新世界より 下 1000年後の日本を描いた未来SF小説。『黒い家』(第4回日本ホラー小説大賞大賞)の貴志祐介。第29回日本SF大賞受賞作品。 とにかく面白い。そして深く考えさせられる。同時代性と娯楽性を兼ね備えた大傑作。上下巻1000ページ超の長編だがSF小説ファンは躊躇せずに読んだ方が良い。(私は今年のGWまで挑戦を先延ばしにしてきたのをちょっと後悔)。 未来の人間は科学技術の文明を捨てて、代わりに強大な呪力(超能力)を手に入れていた。彼らは日本の各所に小規模な共同体を作って平和に暮らしている。学校で呪力を習得した大人達は、思念を送ることで物体を自由自在に遠隔操作することができる。達人になれば莫大なエネルギーを炸裂させて、大規模に地形を変えてしまうことさえ可能だった。 呪力を身につけるために学校に通う子供たちが物語の主人公。呪力は生活に役立つと同時に危険な能力だ。子供