「まずは前作の『この世界の片隅に』という映画がある。今回の『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』という映画は、また新しい映画だというつもりでつくりました」 11月4日、第32回東京国際映画祭であった特別先行上映試写会。会場となった映画館「TOHOシネマズ六本木ヒルズ」の520を超える座席が埋め尽くされた「スクリーン7」で舞台あいさつに立った片渕須直監督(59)は、今回の作品が、前作の単なる長尺版ではない「新作」であることを強調した。 11月4日、東京国際映画祭で先行上映された片渕須直監督の新作『この世界の さらにいくつもの 片隅に』のポスター 「前作で描かれた色んなシーン、色んな表情、色んなセリフは、今回たくさんの新しい場面を加えたことで、本当はこんなことを心に抱いていたのかもしれない、あんなことを思いながらしゃべっていたのかもしれないと思い描けるようになっているのではないかなと思う。(