食材として広く親しまれているシイタケのゲノム(全遺伝情報)を森林総合研究所(茨城県つくば市)が解読した。品種改良や産地偽装の防止などに役立つという。栽培きのこのゲノム解読は初めて。19日から鳥取市で開かれる日本菌学会で発表する。 解読に使ったのは市販の国産品で、ゲノムサイズは3300万塩基対。遺伝子数は1万程度とみられ、木材を腐食・分解する酵素の遺伝子などを確認した。 シイタケは、うまみ成分やコレステロール値を下げる物質などを含んでいるが、遺伝子レベルの研究は遅れている。ゲノムを詳しく解析することで、こうした有用成分の研究や、干しシイタケに適した新品種の開発などが進むと期待される。 またシイタケは近年、安価な中国産の輸入が増加。国産と偽装して販売されたり、日本の優れた菌株が流出・栽培され、逆輸入されるケースも起きている。同研究所の馬場崎勝彦きのこ研究室長は「ゲノムデータは明確な品種判