次回作も「アジア映画」で 理想の映画を追い求める 三国志の映画化をめぐっても、紆余曲折があった。製作費100億円クラスの大作だけに、当然、チャンはハリウッドの主要な映画会社に最初に話を持ち込んだ。だが、まとまらなかった。原因はアメリカ人の三国志への理解不足。「映画会社から『登場人物はこんなにいらない。曹操、劉備、関羽を一人にまとめてほしい』と言われたこともある」と、チャンは明かす。三国志ファンが聞いたら腰を抜かすような話だ。 自分の思いどおりに撮るためにハリウッドの要求をはねつけたウーだったが、結局中国の映画会社や日本のエイベックスなどから出資を得て、「アジア映画」として製作されることになった。ウーにとっては、かえって幸いだったともいえる。 ハリウッドを離れ、中国の地でウーは、一切の妥協なく、理想の映画を作ることができた。作曲を担当した岩代は、「撮影現場の空気を肌で感じてほしい」と、長期に