2009年5月から2010年4月まで、1年間にわたって平凡社のウェブ・マガジンで連載された『演歌よ今夜も有難う』が、1年間かけてようやく単行本になりました。 だれも知らない、だれも知ろうともしない、インディーズ演歌の世界。それはある意味ロックよりもハードで、ヒップホップよりもタフな、ほとんど報われることのないまま、歌のちからだけを信じて生きている人間たちの物語です。18人の、18とおりの演歌人生劇場に、震えるコブシとともに浸ってください。笑って、泣いてください! たったひとり部屋にこもって宅録した音源や、友達とバンドを組んで貸しスタジオで録ったテープを、お小遣いを使ってCDにして、レコード屋の自主制作コーナーに置いてもらう。それがいつのまにか評判になり、気がついたらメジャー・デビューしてロック・スターの仲間入り。そんなサクセス・ストーリーが、ポップスの世界ではあたりまえに起きている。 自分