国が企業に休業手当の一部を助成する雇用調整助成金の利用が急増しているため、財源となる積立金が、2010年度末に3千億円程度足りなくなる恐れがあることが4日、厚生労働省の試算で分かった。景気の低迷が長期化するなか、同省は今後も多くの利用があるとみて、失業給付向けの積立金からの借り入れで不足額を確保することを検討している。 雇用調整助成金は、国が企業に従業員の休業手当や教育訓練中の賃金を助成し、解雇を食い止めるのが狙い。昨秋以降の雇用情勢の悪化で、要件の緩和や助成率の引き上げが繰り返された。大企業は最大で休業手当の4分の3、中小企業は9割が助成される。 利用を申請して計画が受理されたのは、昨年10月には140事業所の3632人分だったのが、今年10月は8万4672事業所の197万2568人分に増えた。 財源となる労働保険特別会計の雇用安定資金は、雇用保険料のうち企業の負担分でまかなわれて