浜松市の天竜川で川下り船が転覆した事故で、20日午前、遺体で発見された、船頭北橋国幸さん(66)を知る人たちは「朗らかな性格で、仕事も熱心だった」と口をそろえ、死を悔やんだ。 転覆した船の後ろの船で船頭をしていた市川覚次さん(76)によると、北橋さんが船頭になったのは、市川さんの勧めがきっかけだったという。 釣り仲間だった市川さんが「生まれも育ちも天竜で川や船を知り、気配りもできる」と会社に推薦、北橋さんにも「船頭をやってみないか」と勧めたという。天竜浜名湖鉄道によると、北橋さんは2008年10月1日、船頭として同社に雇われ、風景などのガイドをする前方船頭を務めた。 かじ取りをする後方船頭に必要な2級小型船舶操縦士特定操縦免許を取得したのは今年4月4日。免許取得後、5~6月は熟練船頭に付き添われて後方船頭を務め、6月21日に独り立ち。その後は10回前後、一人で後方船頭をこなした。 市川さん