スマートフォンアプリの増加は著しく、「モバイルAR」と呼ばれる分野も例外ではない。昨年初めにセカイカメラが注目されたと思っていたら、現在では列挙するのにも苦労するほどである。しかし、モバイルARが技術的には2種類に大別でき、それぞれまったく異なる技術が使われていることは、IT系ニュースを見てもあまり伝えられていないように思う。 位置情報利用型AR セカイカメラのように位置情報(GPSやコンパス、ジャイロ)を用いたアプリケーションである。センサから情報を取得するだけで位置が把握でき、最も簡便に開発できる方法である。一方で位置精度は悪く、数10m程度の誤差も珍しくない。したがって建物内での利用は難しく、街路での利用が中心である。室内での精度向上を目的として、無線LANの電波を使って位置を把握するPlaceEngineという技術も開発されているが、それでも数m程度の誤差が生じる。 マーカー利用型