2019年にドラマ化され、企業で働く女性のリアルストーリーとして支持されている『わたし、定時で帰ります』シリーズ。3作目となる『わたし、定時で帰ります。 ライジング』では、デジタルマーケティングを支援する会社に勤める結衣がマネージャー代理に昇進。同僚であり元婚約者でもある晃太郎と復縁し、公私ともに好調かと思えば、残業したがる部下と残業削減を目指す会社上層部の間にはさまれ苦悩することになる。会社員経験のある作者・朱野帰子さんにこの新作に込めた思いを聞いた――。 残業したがる部下たち ――結衣はこれまで人間らしい生活を送るため、また効率よく仕事をするため、残業をしないという主義でしたが、管理職として、自分より若い部下たちの「残業したい」という要望に向き合うことになります。彼らが残業するのは生活のため。朱野さんがこの「生活残業」の問題に気づいたのはいつですか? 【朱野帰子さん(以下、朱野)】私が