今年も残すところ2週間となった今,思い出してみると2006年には日本の通信業界の巨人NTTの将来を左右する大きな「出来事」がいくつもあった。それぞれが持つ意味を読み解くと,すべてが「NTTの2010年」に密接に絡んでいたことが分かる。そこで今年1年を振り返りながら,NTTの,そして通信業界の2010年を考えてみたい。 衝撃的かつ破壊的だった竹中懇談会 2006年の最大の出来事は,1月に竹中平蔵・前総務大臣が立ち上げた懇談会(通称「竹中懇談会」)をきっかけに巻き起こった議論である。竹中懇談会はNTTの在り方について,「NTTの持ち株会社を廃止し,事業部門ごとに完全に資本分離する」という「NTT解体」案を俎上(そじょう)に載せたのだ。 これまでにはない勢いでNTTに抜本的な改革を迫った竹中懇談会はNTTにとっては“寝耳に水”であり,時の総務大臣が自ら陣頭指揮を取っただけに破壊力も際立っていた。
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