きわめて旺盛に働く翻訳者、柴田元幸氏が訳し、編んだ米文学短編集のアンソロジー。それにしても「柴田さんはいつ寝ているのか」というのは、わたしにとっての世界三大ミステリーであり、残りのふたつは「ニコラス・ケイジの生えぎわがひとりでに前進したり後退したりすること」「ニコラス・ケイジがほんのすこしだけプレスリーの娘と結婚していたこと」である。 この本におさめられているのは、ポール・オースター、スチュアート・ダイベック、スティーブン・ミルハウザー、バリー・ユアグロー、レベッカ・ブラウン、ケリー・リンクの短編。本を開くと、左ページに原文(英語)、右ページに訳文(日本語)が並記されていて、オリジナルのテキストがどのように翻訳されたかを読みくらべることができる。ページ下には注釈もついており、わかりにくい単語をフォローしている。これはとてもおもしろい試みだとおもう。 そしてすごいのは、付属の2枚組CD。なん