2月18日、ソチ五輪が開催されていた最中にロシアはエストニア(ラトビア、リトアニアと共に、バルト三国と呼ばれる)との懸案事項であった領土問題を解決した。2012年の拙稿(「ロシア・ウクライナ領土問題の解決 北方領土にヒントは得られるか?」)でも述べたように、近年、ロシアは領土問題を次々に解決してきた。そして、今回のエストニアとの合意の結果、ロシアが抱える領土問題は日本とのもの、つまり北方領土問題だけとなったのだ。 ロシアの実効支配をほぼ認める 両国の領土問題解決の概要は以下の通りである。2月18日、ロシアのラブロフ外相とエストニアのパエト外相はモスクワで国境画定条約に調印したが、その内容は、旧ソ連時代の境界線に約1平方キロメートルの土地を交換する微修正を加えたものの、ロシアの実効支配をほぼ全面的に追認するものであり、条約案には領土要求の相互放棄が明記された。両国議会の批准を経て発効するが、