わが国初の心理専門家の国家資格 ほとんどニュースになることもなかったが、昨年9月9日、第1回の公認心理師国家試験が実施され、11月30日に合格発表が行われた。それに基づいて、今年から正式な国家資格としての「公認心理師」が誕生した。 公認心理師とは、わが国ではじめて、心理の専門家に対して与えられた国家資格である。第1回試験の受験者数は35,020人で、合格者27,876人だったというから、合格率約80%の「広き門」だった。 精神保健福祉士や社会福祉士など、近接領域の第1回国家試験の受験者数が数千人から千人程度だったことから見ると、その数の多さは抜きんでている。 心理の専門家と言えば、どのような人々のことが思い起こされるだろうか。 身近なところでは、学校にはスクールカウンセラーがいて、いじめや学校不適応の問題などに対して、子どもたちや保護者の相談、知能検査や心理検査の実施、指導に行き詰まった教