スカートに靴はローファー。長い髪は一つに束ねられていた。三田の知り合いから紹介された関西の高校に通うヒカルさん=仮名=は男の子の体に生まれたが、心は女の子。勇気を出し、家族や学校にカミングアウトした。 ◇ 5人兄弟の長男として生まれました。小さいころから女の子と遊ぶのが大好きで、小学生になる時、赤いランドセルが欲しかったけど、何となく男の子として生きなきゃ駄目なのかな…と感じていました。 一番嫌だったのは水泳の授業。胸を出すのが恥ずかしくて手で隠すと、周りが「おかまかよ」とからかうんです。いじられるのはよくあったので慣れました。「俺」や「僕」と言いたくなかったので、子どものころから一人称は使いませんでしたね。 中学は最悪。ひげが生えて毛も濃くなって、自分がすごく気持ち悪かった。本当に嫌で血が出てもひたすら抜きました。声が低くならないように高い声を出す練習もしました。 好きになったのは同じ部
ファッションショーに向け衣装合わせをする「アライ」のモデル。後列左端は豊川月乃さん=神戸市灘区森後町2 多様性やジェンダーレスをテーマにしたファッションショー「関西アライモ2022」が、21日に大阪市で開かれる。兵庫県内からもLGBTQなど性的少数者や、その理解者・支援者を意味する「アライ」の人々が参加。性自認や性的指向の違いに関係なく、同じステージで自分らしさを表現する。 「アライモ」は「アライをもっと」を意味する造語で、有志による実行委員会が昨年始めた。アライを増やし、全ての人にとって生きやすい社会を目指す。 今年はLGBTQなど当事者モデル12人、アライモデル17人の計29人が出演。それぞれイメージに合わせた衣装をまとい、ステージを歩く。その後トークショーもあり、終演後は写真撮影など来場者と交流できる時間を設ける。 昨年も舞台に立った神戸市灘区の竹紫春翔さん(32)は女性として生まれ
兵庫県尼崎市保健所の幹部が性的少数者(LGBT)の30代男性職員に、公務中のカミングアウトを控えるよう指導した問題で、幹部が借金や病気を例に挙げながらLGBTであることを「私的な悩み」と表現していたことが分かった。男性は「性的指向は悩みではない」と訴え、悲観的に捉えられるのはおかしいと反論。複数の関係者の証言から、2人のかみ合わないやりとりをたどった。 ◆たどり続けた平行線 問題のきっかけは、市内の動物愛護団体が男性への苦情を文書で幹部宛てに送り、「(男性から)性的指向を打ち明けられ、困惑している人がいる」と直訴したこと。幹部は2019年12月、「事実確認する」と男性と面談し、男性の上司2人も同席した。男性は事前に「性的指向をつつかれると思うから気を付けて」と同僚に言われたという。 カミングアウトの話に及ぶと、幹部はまず、団体側の言い分を代弁した。 「『バイセクシュアル(両性愛者)だと言わ
兵庫県尼崎市保健所に勤めていたバイセクシュアルの30代男性職員が、公務中のカミングアウトは控えるべきだと上司から指導され、組織に失望して依願退職した-。私たちは先日、そんなニュースを報じました。 「LGBT」や「LGBTQ+」という言葉は、社会にどんどん広がっています。それでも性的マイノリティーの人々が性の指向や自認を当たり前に明かすことは、まだむずかしい。 「多様な性を理解するって、どういうこと?」 取材を進めながら、ずっと考えています。 企画タイトルの「リカイ」は、理解するということを、読者の方々と少しでも解きほぐしたくて、漢字を外してみました。 当事者の方々の思いやエピソードのほか、有識者のご意見を届けながら、読者の方々と一緒に考えていきたいと思います。(神戸新聞阪神総局) 私は2015年から、北海道の研修活動「LGBTダイバーシティセミナーシリーズ」に講師の一人として参加しています
性的指向(セクシュアリティー)をカミングアウトするなどというのは、異性愛者の多くの人にとっては一生なじみのない体験だと思います。 「世間」は異性愛を当然のようにしてつくられているので、日常でそんな場面を想像するのも難しいかもしれません。裏を返せば、われわれLGBTQといわれる性的マイノリティーにとっては、恋愛や性的指向に関わる事柄に当たるたびに「カミングアウトするか、しないか」を常に突きつけられながら生きているといってもよいのです。 ◆ ◆ 初めて自分がゲイであると周囲にカミングアウトしたのは30代後半でした。 仕事で知り合った同年代の知人が、10代からゲイのコミュニティーに入って友人を得ながら自由に振る舞っているのを知ります。長らく自分の性的指向を認められずに葛藤してきた私は、そんな彼がうらやましくて仕方がありませんでした。 同時に「自分は何を恐れているのだろう。あっという間に歳を
多様な性への理解をテーマに、神戸新聞社は当事者の方々の思いやエピソードのほか、有識者のご意見を届けていきます。カミングアウトしたフリー記者の浅利圭一郎さんが、性的マイノリティーへの差別をなくすための講演活動をするようになった経緯や思いを寄稿してくれました。(神戸新聞阪神総局) ◆ ◆ 2015年春、札幌市にある「井上税務会計事務所」で付き合いのある担当者から相談を受けました。 「LGBTとダイバーシティ(多様性)を広く周知する講座をシリーズ化したい。ぜひ参加してほしい」 経営者や一般の人に向けて無料のセミナーを開き、性的マイノリティーを差別しない「フレンドリー宣言」をする企業や団体を広げていこうという試みです。私は、当事者である伝え手として講師のメンバーに誘ってもらいました。 その担当者には以前からカミングアウトをしていて、それがきっかけになりました。ただ、共通の知人で、私と旧知の仲だ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く