アニメ映画「竜とそばかすの姫」などを手がけた日本テレビの映画プロデューサーで、トランスジェンダーの谷生俊美(たにおとしみ)さん(50)が、長田高校(長田区池田谷町2)で講演した。幼少期から大学進学まで神戸で暮らした谷生さん。得意な英語を生かした仕事ぶりや現代のジェンダー問題を語り、「人生の主人公は自分。あなたらしいあなたでいて」と言葉に熱を込めた。(名倉あかり) ■「後悔のないように生きたい」
![映画プロデューサーでトランスジェンダー・神戸育ちの谷生俊美さん、長田高で講演「みなさんの世代で変えて」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ae4679161a79f2ab82ec8272f0bd88e69bc9b691/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fi.kobe-np.co.jp%2Fnews%2Fkobe%2F202403%2Fimg%2Fa_17471821.jpg)
性同一性障害と診断され、岡山家裁津山支部で性別変更が認められた岡山県新庄村の農業臼井崇来人さん(50)が27日、女性から男性への変更が反映された戸籍謄本を岡山市役所で受け取った。臼井さんは自認する性別と戸籍が一致したことに「非常にすっきりした」と笑顔で話した。 共に暮らす女性のパートナー(46)と来月にも婚姻届を提出する予定といい、「名字が一緒になり、より家族の一体感を感じる」と晴れやかな表情を浮かべた。 臼井さんは代理人弁護士と市役所を訪問。職員から戸籍謄本を受け取ると、変更された部分をじっくりと見つめていた。 一方で、臼井さんは「戸籍の性別と体の特徴が合わないことから今後医療機関などで説明を求められることがあるかもしれない」とも説明。「(自分のような人を)社会がどのように受け止めていくのか注視していきたい」と話した。 性同一性障害特例法には、戸籍上の性別を変更する際に生殖能力をなくす手
自認する性に合わせ、「通称名」で大学院生活を送ってきた久保明日香さん(26)が24日、神戸大学(神戸市灘区)の大学院を修了した。在学中は、自身を含む性的少数者の学生が過ごしやすいよう努め、大学が通称名使用を全学部で認めるきっかけをつくった。自ら選んだ紫色の振り袖で「明日香」と記された学位記を受け取り、仲間と新たな一歩を祝った。(久保田麻依子) ■「自分は病気扱いなのか」 久保さんは奈良県出身。幼い頃から「男性」であることに違和感があった。東京の大学に通っていた19歳の時、トランスジェンダーであることを初めて友人に打ち明けた。「拒絶されるのではないか」。手が震えたが、信頼の置ける仲間たちはすぐに受け入れてくれた。そこから戸籍上の名前と、故郷の名に由来する「明日香」を使い始めた。 2021年、神戸大大学院国際文化学研究科に進んだ。夏ごろ、学生証や証明書に通称名が使用できないか大学事務局に相談し
勧告と要望書について説明する兵庫県弁護士会人権擁護委員会の吉田維一委員長(左)と定岡治郎副会長=3日午後、神戸市中央区橘通1、兵庫県弁護士会館 兵庫県弁護士会は3日、受刑者が髪を切る際に、戸籍上の性別だけではなく、性自認にも配慮するよう法務相らに勧告した。神戸刑務所に収容されたトランスジェンダーの50代受刑者からの人権救済申し立てを受けた勧告で、同弁護士会は「処遇指針を見直さないといけない問題。同様の勧告は2回目で、今回はより重い措置である『警告』に近い勧告だ」としている。 同弁護士会によると、受刑者は戸籍上は男性だが、性自認に基づく身体的な手術を受け、神戸刑務所でも「性同一性障害と同様の傾向を有する者」として、単独室で処遇されている。 刑務所では、男性受刑者は規則で丸刈りのような短髪に刈り上げる。同弁護士会は2018年、性同一性障害の受刑者らの人権救済申し立てを受け、女性に認められた髪形
「女子トイレや女湯に『心は女性』と主張する男性が入ってくる」-。LGBTなど性的少数者への理解増進法(6月23日施行)の国会審議の過程で、そんな中傷やデマが交流サイト(SNS)を中心に広がった。「犯罪者と混同せず、どうか生身の当事者と対話してほしい」。生まれた体と自認する性が異なるトランスジェンダーのいよたみのりさん(55)が、取材に胸の内を語った。(名倉あかり) いよたさんは、性的少数者や支援者でつくるNPO法人「ミックスレインボー」(兵庫県尼崎市)の理事長を務める。生まれながらの性は男だが、幼少期から違和感を抱いていた。 小学生の時、与えられた黒色のランドセルが嫌だった。外で遊ぶより、先生がピアノを弾いているのを見るのが好きだった。母親のスカートをこっそりと履いてみたこともある。しかし、時代はまだ「昭和」。性的少数者に関する情報は全くなく「誰にも言っちゃいけないこと」と、心にふたをした
女性から男性に性別を変更し、結婚してパパになった兵庫県宍粟市の前田良さん(41)が12日、同市山崎町の山崎高校で、自身の生い立ちや多様な性の在り方について講演した。性で悩む人との付き合い方について「理解は難しいかもしれないが、否定せずに受け止めてほしい」と呼びかけた。 生徒に性の多様性について正しい知識を身につけてもらおうと、同校が2年前から前田さんに講演を依頼しており、今回は1年生ら約170人が参加した。 前田さんは子どもの頃から心と体の性の不一致に悩み、思春期で体の変化が表れた時は「絶望した」と振り返る。入学した県外の女子高では、先輩から「男が女装して入ってきた」と冷やかされ、スカートをはきたくないと教員に訴えた際は、「我慢しろ」と理解されなかったという。 就職後に性転換の手術を受け、戸籍上の性別を変えて結婚。第三者から精子提供を受けて子どもに恵まれたが、公的には父として認められなかっ
オーダーメイドのインソールなどを販売する「ROCKET」(神戸市須磨区)のブランド「wiDthlast(ウィズラスト)」の28センチパンプス(左)=神戸市須磨区大田町1 オーダーメイドのインソールなどを販売する「ROCKET」(神戸市須磨区)のブランド「wiDthlast(ウィズラスト)」のパンプスをPRする福原千江見さん(左)と三浦英旭さん=神戸市須磨区大田町1 リボンが付いたバレエシューズに真っ赤なグリッターがきらめくヒールパンプス-。最大28センチまでのサイズを展開し、トランスジェンダーの女性や男性が履ける靴ブランドが、神戸にある。足元から性別による固定観念をなくそうと一歩を踏み出している。 オーダーメードのインソールなどを販売する「ROCKET」(神戸市須磨区)のブランド「wiDthlast(ウィズラスト)」。2万円前後で、男性の足型で作られるパンプスは全国的にも珍しいという。 大
「違憲状態」にとどまった判決に、LGBTなど性的少数者や支援者でつくるNPO法人「ミックスレインボー」(兵庫県尼崎市)の理事長でトランスジェンダーのいよたみのりさん(55)は「同性カップルも異性カップルと何ら変わらない関係を築いているのに、裁判所はその存在が見えていないのでは」と声を落とす。
LGBTなど性的少数者の存在を知ってもらうイベント「神戸レインボーフェスタ」が、神戸市中央区小野浜町のデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で初めて開かれた。子どもから大人まで約600人が訪れる盛況ぶりで、「ありのままの自分を生きてほしい」とのメッセージが込められた当事者の歌や語りに耳を傾けた。(名倉あかり) 性的少数者専門の結婚相談所「ベストリアン」(神戸市)と当事者らの交流会を開催するコミュニティー「RISE」が主催。飲食店やレインボーグッズの販売、ネイル体験など30のブースが集まった。 ステージのトップバッターは全国で講演活動を行う彩莉(あいり)さん(26)=大阪府門真市。女性の体で生まれたことに違和感を持ったが、手術をせず、生まれたままの体や名前で生きることを決めた。現在の性自認は「男性85%、女性15%くらい」という。 性自認に悩んでいた高校生の時、「男でもなく女でも
「この7時間は本来の自分の姿で楽しんでほしい」と5月3日に初開催される神戸レインボーフェスタをPRする田辺義宗さん(左)と新井智尊さん=神戸市中央区二宮町1 LGBTなど性的少数者の存在を知ってもらうイベント「神戸レインボーフェスタ」が5月3日、神戸市中央区のデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で初めて開かれる。実現にこぎつけたゲイカップルは「性自認に悩み、生きづらさを抱える人に『一人じゃない』と実感してほしい」と話し、当事者のみならず多くの参加を呼びかけている。(名倉あかり) 神戸で性的少数者専門の結婚相談所を経営するゲイの田辺義宗さん(36)、新井智尊さん(42)、当事者らの交流会を開催するコミュニティー「RISE」が主催する。同様のイベントは東京や大阪で大規模に行われており、2人は神戸での実施を思い立った。 岸田文雄首相の秘書官が性的少数者への差別発言で更迭されたのは今
人権問題を考える「じんけんサマーフェスティバル」が14日、兵庫県南あわじ市市三條の中央公民館であった。講演会には、ドラァグクイーンでタレントのナジャ・グランディーバさんとイルローザさんが登場。性同一性障害のため、戸籍を女性から男性に変更した前田良さんが司会を務め、軽快なトークを交えながらジェンダーについて語った。 同市などがつくる実行委員会が毎年実施。新型コロナ禍のため2020年は中止、21年はリモート開催となったため、対面形式は3年ぶりだった。 講演会は、化粧道具や衣装の調達方法など楽しげな話題からスタート。時折笑いを誘いながら和やかに進んだ。 ナジャさんとイルローザさんは心身ともに男性で、恋愛対象も男性。女装をするのは「きれいな格好で目立ちたかったから」という。ドラァグクイーンという言葉には、派手な衣装と化粧で性を表現する意味があるといい、ナジャさんは「言葉の意味を知ってもらえるだけで
出生時の性別と自認する性が異なるトランスジェンダーの男性が、神戸市会で開かれた会派の勉強会で議員から差別的な発言を受けていたことが15日、分かった。市会は不適切な発言があったとして、今後、人権に関する議員研修の開催なども検討しているという。 市会などによると、13日昼、市会会派「つなぐ」の議員控室で、性的少数者について理解を深める勉強会として、神戸市須磨区出身の日本LGBT協会代表理事、清水展人さん(37)らが参加した。 勉強会には同会派所属の議員5人が出席。清水さんが生い立ちなどを説明後、浦上忠文議員が「(清水さんは)男なのか女なのか。そこが一番問題」などの発言を繰り返した。香川真二議員は「清水さんにボディータッチをしたらハラスメントになるのか」などと発言したという。 清水さんは「性的マイノリティーについて、理解していない議員がいてショックを受けた」と勉強会後に市人権推進課に相談したとい
ゲイの2人が手をつなげるのは、人けのない夜だけ。「自分たちが意識しすぎているだけかもしれない。でも、どうしても白い目で見られるのが怖くて」=神戸市内(撮影・坂井萌香) 「普段は友だちに見えるよう、気をつけてます」 アウティング(暴露)などバイセクシュアルの男性職員へのハラスメント事案が起きた尼崎市で、パートナーシップを宣誓したゲイの智尊(ともたか)さん(41)と義宗(よしむね)さん(35)は、家族や友人にも打ち明けていない。 街中で手をつなぐ男性カップルに注がれる好奇の目。インターネットの掲示板に書き込まれた匿名の暴言を見ると「これが現実か」と実感し、悪いことをしていないのに後ろめたい気がする。「白い目で見られ、拒絶されるかも」という不安がどうしても拭えない。 朝は一緒に出勤するが、遠くに知り合いを見つけると、道の両端まで離れる。薬指のエンゲージリングは実家に帰るときは外す。 店で料理を「
兵庫県猪名川町立清陵中学校の生徒会役員たち。生徒一人一人が笑顔で学べる学校を目標にしている=猪名川町原(撮影・斎藤雅志) 「女の子が好きだと姉に打ち明けたら『気持ち悪い』って言われた。でも、今は応援してくれています」 大阪の大学院に通うトランスジェンダーの香さん(23)=仮名=が伝えると、中学生たちは真剣な顔で聞き入った。体は女性、心は男性で、女性パートナーがいる。 性的マイノリティーの大学生らが小中学校、高校で経験を語るサークル活動の一環だ。関西の複数の大学から10人が参加している。 生徒から熱心な質問もあり、パートナーへの思いを答える。「傷つきたくないし、生きづらさはあるけど、付き合いを続けている」 小中学校の教科書には性的マイノリティーの記述も加わり、若い人ほど理解者は多いと感じる。香さんは関西学院大学(兵庫県西宮市)の当事者サークルにも顔を出し、ざっくばらんに悩みを相談しあう。登録
昨年11月、ハイキング中に登山道の女子トイレから出た彩乃さん(50)=神戸市=は、入ろうとした女性と鉢合わせた。困惑した顔を見て、慌てて説明した。 「あ、ごめんなさい。トランスジェンダーです」 男性に生まれ、20歳を過ぎて男子トイレに入ると「なんか違う」と感じるようになった。女性用はホッとする。日常的に使ってもトラブルにならなかった。 そんな中、大阪市の商業施設で今年1月、「戸籍は男性、性自認は女性」とする客が女子トイレを使い、大阪府警に建造物侵入容疑で書類送検される。ひとごととは思えず怖くなった。 ただただ一人の女性として暮らしたいだけ。でも、警察沙汰になりかねない。それからは「誤解を与えるきっかけを自ら増やす必要はない」とできるだけ多目的トイレを選んでいる。 車いす利用者らへの後ろめたさはあるものの、なるべく波風を立てたくない。性別を問わない「オールジェンダートイレ」も各地にできつつあ
出生時の性別と自認する性別が異なるトランスジェンダーの人に対するインターネット上での差別を解消しようと、甲南大学(神戸市東灘区岡本8)社会学科の学生有志が人権啓発動画を作った。学生は「見た人が身近な人権問題に気づくきっかけを提供できれば」と期待を込める。(綱嶋葉名) 人権侵害の解消に取り組む大阪府府民文化部人権擁護課が甲南大に動画作りを提案。ジェンダー問題に関心を持つ学生5人が社会学科講師、関めぐみさんの指導を受けながら、台本作成や出演、撮影、編集などを全て行い、仕上げた。 タイトルは「寄り添う言葉・引き裂く言葉~SNSで排除されるトランス女性」。トランスジェンダーの中でも女性として生活を送る人に焦点を当てた。 会員制交流サイト(SNS)をよく使う中高生や大学生を視聴者として想定。性的マイノリティーの当事者は身近にいることや、差別的な書き込みの怖さを伝えることにこだわった。 約15分のミニ
多様な性への理解を考えるシリーズ「リカイってなに?」。今回は、元タカラジェンヌで自身をレズビアンと公表しているLGBTアクティビストの東小雪さん(37)=東京都=に聞きます。(聞き手・久保田麻依子) ■「LGBT」は理解への入り口 -各方面の調査を見ると、多様な性に対しては若い世代ほど寛容な反応を示す傾向が見られる。 「私はレズビアンを公表して10年以上前から講演活動をしているが、当時はLGBTの存在は全く知られていなかった。それからメディアが扱うことが増え、ものすごい勢いで認知度が上がった」 「今やLGBTは学校の授業でも扱われ、大学入学共通テストや公認心理師試験にも出てくる。SNSでも同性カップルが日常の思いを投稿することが普通になっている。若い世代ほど当事者に接する機会が多いことも背景にあるようだ」 -LGBTへの認知度は高まっても、カミングアウトできない人もいる。 「私は宝塚歌劇を
僕は男なのに、体は女。自分が何者か分からない。何度も死のうと思った。でも、過去の僕ががんばって生きてくれたから、今の僕がある-。女性として生まれ、男性として生きるトランスジェンダーの竹紫春翔(ちくしはると)さん(33)=神戸市灘区=が幼少期から抱いてきた思いや葛藤が、ミュージカルと絵本になる。今がどんなにつらくても「未来は明るい」。そんなメッセージが伝わるよう願う。(高田康夫) 竹紫さんはLGBTなど性的少数者について講演するなどタレントとして活動している。 LGBTの言葉もなかった幼少期。小学6年生で女性の先生を好きになり、人とは違うことを確信した。中学2年生で生理がきた。女性である自分を認めなければいけなくなった。「どうやって生きていけばいいのか」。悩み続けた。 小学生の時から打ち込んだのが野球だった。男子と一緒の格好ができる。中学、高校、大学と続けてきた。女子部員は珍しく、新聞などの
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