大学時代、「そうしないと学業を継続できないから」という理由から日本学生支援機構(以下、機構)奨学金を利用したものの、奨学金を返済できるほどの収入を得られる就職はできず、または就職したものの就労が継続できなくなるなどの理由で、返済困難になる人が増えています。機構側も、回収のため法的手段も辞さない構えをとり、多数の訴訟を起こしています。 「どうしていいかわからず、怖かった」。札幌市の20代女性は2月、機構から訴えられた。大学時代に借りた奨学金約240万円のうち、未返済の約170万円を求められた。 2007年の卒業後に就職し、返済を始めた。出産のために休職したが、子どもを預ける場所が見つからずに復職を断念。さらに夫の勤める会社が倒産した。11年9月、困窮を理由に返済猶予を機構に申請。認められたが、その後、毎年必要な猶予の更新手続きをしなかったとして、翌年10月から延滞扱いにされていた。 「100