幽霊名字をご存じでしょうか。 これは、1998年に刊行した「日本人の名字なるほどオモシロ事典」(日本実業出版社)の中で私が提唱した言葉です。 どういうものかというと、実在しているかのように紹介されていながら、実際にはその存在が怪しいもの、あるいは存在しないと思われるものを指しています。 ある名字が本当に存在する、ということを証明するのは比較的簡単です。実例を1つだけ示せばOKです。ある程度公的に職業についている人がいれば、本名であることを確認した上で、その人を例としてあげればOKです。特に著名人がいない場合は、「○○市に多い」とか、地域を限定して示すこともできます。疑問のある人は、その地域にいくなり、電話帳を調べるなりすれば確認することができます。 しかし、特定の名字が存在しない、ということを証明するはたいへんです。日本人1億2000万人の名字を全部調べたが1つもなかった、というこ