この本に描かれているプロジェクト番組を、たまたま最後の5分間程度を観た。 番組の内容が分からなかったのでよけいにそう思ったのかもしれないが、この「デジタルネイティブ」という言葉に引っ掛かった。 良い意味の引っ掛かりではない。胡散臭い印象を持ったのである。 たまたま本屋で見つけたので、私の感じた胡散臭さの正体を見極めたくなって読んでみた。 本文の大半は1996年入社のディレクター三村が担当していて、ウェブ版制作記の一章だけをチーフ・ディレクターの倉又が担当している。 「デジタルネイティブ」という言葉は、著者たちの造語ではなくて、「ウェブ先進国アメリカ」などで使われるようになった用語だという。 「ネイティブ」という言葉は、普通「先住民族」を表す言葉として使われることが多いが、この場合は「生まれた時からデジタル情報機器に囲まれて育ち、ことさらではなく空気のようにデジタルに接してきた世代