各クラスで渡される通知表を見て一喜一憂する児童の姿は、終業式の日の一コマになっています。でも、神奈川県茅ケ崎市の市立香川小学校では、そんな光景が見られません。教員が議論を重ね、通知表を廃止したからです。そもそも通知表は必要なのか。前校長の國分一哉さん(61)に聞きました。【大沢瑞季】 成績に関係なしなら「やりません」 数年前、担任教諭の代理で高学年の授業を担当した國分さん。「プリントをやりましょう」と指示を出すと、複数の児童が手を挙げました。 「これは成績に入りますか?」 「成績に関係がないんだったら、やりません」 勉強は、自身の評価を上げるためのものに過ぎず、興味を深めるものではない。そうした考え方を持つ児童がいたことにショックを受けたといいます。 香川小では学期ごとに教科の成績などを「十分達成している」「おおむね達成している」「努力が必要である」の3段階で評定した通知表を作成していまし
ジブリパーク。右は「青春の丘」エリアの「エレベーター塔」、左は「地球屋」=愛知県長久手市で2022年11月1日、本社ヘリから北村隆夫撮影 「ジブリパーク」(愛知県長久手市)に展示されているキャラクターの胸を触るなどの不適切な写真がツイッターに投稿されていることについて、同県の大村秀章知事は9日、「極めて遺憾だ。県の公園内なので、毅然(きぜん)と対応していく」と述べた。パークを運営するジブリパーク社に対し、不適切行為を確認した場合は直ちにやめさせるよう求める考えを示した。 ジブリパークは、愛知県が総事業費約340億円をかけて整備し、2022年11月にオープン。園内ではジブリ作品に登場する映画のキャラクター像と写真を撮ることができる。来場者が女性キャラクターの胸をつかんだり、スカートの中を盗撮したりする様子を撮影したとみられる写真がインターネット上に投稿され、問題となっていた。
撤去前日、「西梅田一番踏切」の前に立つJR貨物の中山順仁さん=大阪市北区で2023年2月10日、藤井達也撮影 カンカンカン――。夜の踏切に警報音が響き、遮断棒がゆっくりと下りた。特急「はるか」の最終列車が通り過ぎる時、集まった鉄道ファンが一斉にカメラのシャッターを切った。 JR大阪駅の西側、東海道線の支線にある「西梅田一番踏切」。商都・大阪の発展を支え、大阪市の中心部・梅田エリアに唯一残っていた踏切がその夜、最後の役目を終えた。 踏切があったのは、大阪駅北側の「うめきた2期」再開発地区の西端。再開発に伴い線路を地下に移すため、2月11日を最後に廃止・撤去された。それまでは特急や貨物列車が1日約100本通過。交差する車道の交通量(2021年9月末時点)は1日約2万台に上り、大阪市北区で唯一の踏切だった。 24時間交代、手動で信号操作 「周りの景色が変わっていく中、この踏切だけはずっと変わらな
厚生労働省は6日、5年に1度見直している生活保護受給額のうち、食費や電気代など日常生活費に当たる生活扶助費の試算を専門家会議に示した。試算をそのまま当てはめると、75歳以上の高齢世帯を中心に減額となる世帯があり、削減幅は最大8%になる。ただ、試算には直近の物価高騰が反映されていないことから、厚労省は影響を考慮した上で年内に新たな受給額の基準を決め、来年度から適用する。 試算によると、減少幅が最大だったのは、東京都23区など最も受給額の水準が高い都市部(1級地―1)の75歳以上の単身世帯で、現行7・19万円から6・60万円に8・2%の削減となる。75歳以上の高齢夫婦世帯では、居住地によって6・8~3・9%減。
NHKがホームページで公表している2021年度の契約情報。「コンサルティング」名目の大手経営コンサル会社との契約が前年度より大幅に増えていることなどが判明した=2022年11月7日 NHKでコンサルティング契約の総額が急増している。NHKの公表資料を毎日新聞が調査・分析したところ、2021年度の「コンサル」名目の契約額は、前年度比2・6倍の約35億円に増大。経費削減や受信料値下げなどの改革を進める前田晃伸会長が就任した20年1月以降に急増し、NHK幹部は「増えたのは主に改革関連」と説明するが、コスト削減に矛盾しているとの疑問が局内から上がる。NHKの最高意思決定機関の経営委員会や理事会で十分に議論されていないなど「チェック不足」(別の幹部)との指摘もあり、視聴者からの受信料で運営される公共放送として支出の合理性が問われそうだ。 前年度比2.6倍 「主に改革関連」 NHKは、役務や工事など契
阿波踊りの総踊りで踊る人たち。閉幕後に新型コロナウイルスの感染が急拡大している(記事とは直接関係ありません)=徳島市で2022年8月12日午後9時52分、久保玲撮影 徳島県は24日、新型コロナウイルスに3182人が新たに感染したと発表した。初の3000人台で、21日以来3日ぶりに過去最多となった。徳島市であった阿波踊り(12~15日)の閉幕後、県内では24日を含め過去最多を4回更新し、1400人台だった開催前の過去最多から倍増した。 オミクロン株の派生型「BA・5」により感染が急拡大した第7波は、徳島県内で全国的な感染より遅れたとされるが、23日に公表された県のオミクロン株ゲノム解析では、阿波踊り前の2~8日抽出分で「BA・5」系統に100%置…
欧米ではマスクを外した生活が普通になっているのに対し、日本ではいまだにマスク着用が続いている。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、政府はマスクを外しても構わないという場面を例示したが、マスクを着けている人が多い。なぜ日本人はこれほどマスクを着けたがるのか。そのルーツは何か。マスク史に詳しい住田朋久・慶応大大学院社会学研究科訪問研究員に尋ねた。【聞き手・宇田川恵/オピニオングループ】 元々はファッションアイテムだった ――マスクの起源はどこにあるのですか。 ◆近代のマスクの原形は1836年に英国で登場した。元々、呼吸器を患う人のために開発されたもので、鼻と口を布で覆い、布の中に格子状の金属が入った構造だった。患者が着用すると、温かく湿った空気を吸うことができたようだ。これが日本に輸入され、その後は国内でも製造された。1880年ごろまでには都市部で広がったという記録がある。 ――今のマスク
「警察官は盗撮のハードルが下がりやすい」と分析し、研修や職員教育強化の必要性に言及する斉藤章佳さん=神奈川県鎌倉市の大船榎本クリニックで2022年1月17日午後2時1分、洪玟香撮影 盗撮をして懲戒処分される警察官が後を絶たない。問題行為に至る警察官は全体から見ればごく一部ではあるものの、本来は盗撮を取り締まる立場にありながら、なぜ卑劣な行動に及んでしまうのか。実際に処分を受けた元警察官から話を聞き、再犯防止プログラムを担当している専門家は、業務の特殊性が盗撮のハードルを低くしているとみる。 警察庁によると、統計が残る2014年以降、全国で毎年20人前後の警察官と警察職員が女性のスカート内をスマートフォンで盗撮するなどして懲戒処分を受けている。その人数は20年までの7年で計148人に上った。1月も…
記者会見する新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=東京都千代田区で2021年8月12日午後4時50分、宮間俊樹撮影 東京オリンピック・パラリンピックについて、政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の専門家らが6月にまとめたリスク評価の提言を巡り、政府・与党から専門家に対して「圧力」があったことが浮かび上がってきた。提言を巡る政府と専門家の水面下の駆け引きを検証した。【原田啓之、金秀蓮】 「先生、提言に名前を連ねるのは、やめたほうがいいですよ」。厚生労働省に新型コロナ対策を助言する「アドバイザリーボード(AB)」の専門家メンバーの一人に6月初旬、自民党国会議員から電話があった。提言作成は4月に始まっていた。議員は「五輪の開催はもう決まっている。波風を立てないでほしい」と続けた。「何を言ってるんだと思ったが、ぐっとこらえた」。電話を受けた専門家は毎日新聞の取材にこう振り返った。
闘病生活を経て、東京五輪切符をつかんだ水泳の池江璃花子さん。「奇跡の復活」を果たした池江さんはもちろん、選手の活躍を見たいのだけれど……=東京アクアティクスセンターで2021年4月10日、宮間俊樹撮影 モヤモヤしている。中ぶらりんの東京五輪である。開催か中止か、世論も割れたままだけど、最近ではこんな開催論も語られはじめた。「病を乗り越えて五輪切符をつかんだ水泳の池江璃花子さんに『中止』が言えるか」「五輪に懸けてきた選手のためにも開催しよう」……。選手の努力には頭が下がるが、そういう問題か? 【吉井理記/デジタル報道センター】 家族全員に重症化リスク 記者は東京都内に住む。夏に出産予定の妻はもともと免疫系の基礎疾患があるうえ、今は妊娠中で抵抗力が落ち、体調をよく崩す。幼い長女は気管支が弱く、軽いかぜで激しくせき込む。これは記者も同じ。都内在住の両親もぜんそく、がんなどの基礎疾患を抱え、あるい
在日米軍ヘリが東京都心の上空で、日本のヘリであれば違法となる低空飛行を繰り返している。米軍機の低空飛行は各地で問題化しているのになぜ止められないのか。日米間の「密約」や米軍が管制権を握る首都圏の「横田空域」に詳しく、日米地位協定を巡る問題に最も肉薄しているジャーナリスト、吉田敏浩さんがすべてを語った。 ――日本の航空法令は、人口密集地では建物の上端から300メートルの高さを「最低安全高度」と定め、それよりも高く飛ぶように規定しています。これは事故や故障が生じた際、地上に危険を及ぼさず不時着するのに必要な高さとされます。ところが、米軍ヘリは新宿駅の上空を約200メートルの高度で通過したり、高層ビルをぬうような飛行をしたりしています。 ◆毎日新聞が撮影した動画を見て、極めて異常な飛行だと思いました。あれだけ危険で騒音も伴う飛行なのに、事前に東京都への通報もないというのも驚きです。多くの人が日本
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