大学院を修了して博士号を取得したポストドクター(ポスドク)の就職難は誠に深刻である。その実態の一端を、科学技術・学術政策研究所の小林淑恵(こばやし よしえ)上席研究官と渡辺その子総括上席研究官がまとめ、6月5日発表した。 それによると、任期付きで不安定なポスドクの人が毎年、「常勤で任期なし」の正規職員に移行する比率は、男性で7.0%、女性で4.4%、男女平均で6.3%になっていた。この率は、ほかの調査(慶応大グループが実施している「慶応家計パネル」)が示した、契約社員や派遣職員らから正規職員への移行率に比べると、極めて低かった。ほかの学歴の比較では、男性の正規職への移行率が特に著しく低いことがわかった。 研究グループは、文部科学省基盤政策課(当時)が実施した「ポストドクター等の雇用・進路に関する調査-大学・公的研究機関への全数調査(2009年度実績)」の個票データを用い、研究機関や大学で任