私はクリシェが嫌いです。 クリシェとは、定型文、決まり文句という意味をもつフランス語です。日本語での例をいくつか出しまてみますと、以下のようなものがあります。 ・燃えるような夕日 ・抜けるような青空 ・完膚なきまでに叩きのめす いずれも、日本語の文章では度々見かける定型文、決まり文句=クリシェです。私は以前から、このような表現を嫌っています。 しかし疑問はあります。いったいなぜ私は、クリシェが嫌いなのでしょうか。実のところ、私自身でも理由を掘り下げて考えたことはあまりありません。そんな現状を正直に言うなら、反射的に嫌っているだけです。 なぜ嫌うのかが自分でも曖昧なこの現状は、健全ではないでしょう。クリシェであるから…というだけで表現や作品そのものを嫌うのは、誤りの元であるように思えるからです。「燃えるような夕日」というクリシェを使った時点でダメ!とは、ずいぶん短絡的な決めつけであると自分で
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