- 1 - はじめに 航空の発展に伴い様々な財の市場は急速に拡大し国内の地域ブロックや国境を越えて一体 化が進み、人や物の移動は増加の一途を辿っている。人や物の移動は、社会経済の活性化、 文化の交流、相互の理解の促進など様々な効果を発生させるので、世界の多くの国で円滑な 移動を担保するための施策を様々な観点から講じている。わが国で円滑な交流を担保するう えで制約となっていることの一つに首都圏の空港容量がある。移動促進に向けた種々の施策 はこの制約により十分な効果を発揮できない。 本調査は、わが国の人や物の移動を円滑にし利用者利便を向上するための航空制度のあり 方の検討とそれを踏まえた首都圏の空港容量の拡大方策等、首都圏空港の将来像を描くこと を目的に実施したものである。全体委員会(委員長:森地茂 運輸政策研究所長)のもとに、 4 つの小委員会を設置して調査を進めた。第 1 はわが国の航空