藤井聡太二冠の歴史に残る大活躍で、最高潮に沸き立つ将棋界にあって、次の歴史的な“事件“となりそうなのが、女性プロ棋士四段の誕生だ。現在、可能性を持った女性が2人いて、これから始まる三段リーグで、男性に混じって四段昇段を目指した戦いを繰り広げる。 【画像】綾崎隼の『ノーブルチルドレンの残酷』書影 綾崎隼の小説『盤上に君はもういない』(KADOKAWA)には、そんなプロ棋士を目指す2人の女性が登場。女性が将棋の世界で戦う大変さ、ライバルとしてしのぎを削り合う素晴らしさが物語からあふれだす。 将棋のプロ棋士に女性はいない。こう言うと、ワイドショーでよく話題にされていた林葉直子さんはプロ棋士ではなかったのか、といった声が出そうだが、林葉さんはプロではあっても女流棋士という制度の中でのプロで、羽生善治九段や藤井二冠が活躍するプロ棋士の世界とは重なっていない。 プロ棋士とは奨励会に入り、半期ごとに行わ