各界の読書家が「心が救われた本」を語る特集企画「しんどい時によみタイ 私を救った1冊」。 前回は、『何者』で直木賞を受賞した小説家・朝井リョウさんが、しんどさに襲われた時に読む本を紹介してくださいました。 今回は、先日『無理ゲー社会』を上梓した橘玲さんに、三十代半ばで会社を辞めようと考えた際、人生設計への大きなヒントになった本を紹介いただきました。 世の中のお金の仕組みを知るために 「私を救った1冊」というと、精神的な危機に陥った時に“啓示”を受けた宗教書や哲学書をふつうは挙げるのだろうが、ここでは徹底的に世俗的・現実的な本を紹介したい。それがトマス・J・スタンリーとウィリアム・D・ダンコの『となりの億万長者 成功を生む7つの法則』(早川書房)だ。 トマス・J・スタンリー&ウィリアム・D・ダンコ『となりの億万長者』(早川書房) 私にとっての「危機の年」は阪神・淡路大震災とオウム真理教事件