今回の衆院選で、自民党の比例区議席が前回よりも2議席増えただけで、絶対得票数に至っては減らしていることを理由に、「日本は右傾化なんかしていない」と強弁する声がある。しかし、これは明白な誤りだ。既に多くの人が指摘しているように、上記の論法は、自民党よりも過激な極右政党である日本維新の怪が厄侵したことを無視している。 私が思い出すのは、1976年の総選挙で自民党が過半数を割り込んだ時、新自由クラブが躍進したことを指摘して「オール保守」としては議席を増やしていると言った朝日新聞の石川真澄(2004年没)の論評だ。この時、石川が「保守」と評した河野洋平がネトウヨらによって「極左」呼ばわりされており、今回の総選挙で一部マスコミから「リベラルのとりで」と評された政党の某有力議員が、河野談話を不服として河野洋平の国会への参考人招致を要求したことを考えても、日本の世論の異様なまでの右傾化は明白だろう。 日