英国のメイ政権が、経済格差の解消に取り組み始めた。欧州連合(EU)からの離脱を選んだ背景に、格差拡大への不満があるとみているためだ。ただ、離脱決定による景気減速で税収が減る見通しで、思うような対策を打ち出せないジレンマも抱える。 「すべての人のためになる経済をつくる」。ハモンド英財務相は23日、EU離脱決定から初めてとなる予算編成方針を示す演説で、格差問題に取り組む姿勢を強調した。低所得者向けの社会保障給付制度で給付を手厚くし、25歳以上の法定最低賃金を1時間7・2ポンド(1008円)から7・5ポンドに引き上げると発表した。 メイ首相もその2日前、大企業の首脳らが出席した英産業連盟の総会で、「変化を求める人々の要望に応えよう」と訴えた。「労働者の声をしっかりと経営に取り入れるべきだ」と促し、高額批判が強まる経営者の報酬制度を含む企業統治のあり方について報告書をまとめる考えを示した。 メイ政