大阪府内で複数の男女に暴行し、うち2人を死亡させたとして、殺人などの罪に問われた男性被告=1、2審無期懲役判決、上告中=に対し、被害者や遺族ら15人が破産を申し立て、1人当たり数百万~4千万円の被害弁償が行われていたことが2日、関係者への取材で分かった。犯罪被害者が加害者に賠償を求めるには新たに民事訴訟を起こすのが一般的。しかし、勝訴しても賠償金が支払われないことも多く、破産手続きを活用することで確実に所有財産を弁償に充てさせることができたという。
4月の大学はフレッシュマンであふれている。彼らの颯爽(さっそう)とした姿を見るのは楽しい。大学院とて例外ではない。大学を出て、あるいは企業や自治体から受験して合格し、修士課程に籍を得たときの感慨は、学問の府で研究できる喜びに満ちているといえよう。 学問の府ということでいえば、その頂点に立つのはやはり東大ということになるだろう。だが、その東大大学院から長く締め出されてきた職業がある。それは自衛官である。 東大の大学院は、公務員はもちろん、企業からも海外からも院生を受け入れてきた。しかし、自衛官に関しては、その門を閉ざしてきた。東大はその理由を明らかにしていないが、自衛官を拒否する一部の特定イデオロギー思想の個人や集団の圧力に屈してのことと想像できる。教授が入学を認めても、事務当局の反対で実現しなかったケースもあったという。 大学院の入試は研究科ごとに行われるし、合否は研究科ごとに決定し、内容
食中毒を防ぐため、厚生労働省は6月にも牛の生レバー(肝臓)を食品衛生法で禁止する方針だ。「もうレバ刺しが食べられない」とがっかりしている人は多いが、この方針が撤回される可能性はまだ残されている。(平沢裕子)来月末までに 厚労省が牛の生レバーの販売を禁止するのは、同省の調査で昨年、重い食中毒を起こすO(オー)157など腸管出血性大腸菌が肝臓内部から発見され、それを殺菌する手段が見つからなかったためだ。 O157は少量の菌でも食中毒を引き起こす。ユッケの場合、肉の内部にこれらの菌はいないため、汚染の可能性がある外側の加熱殺菌の条件付きで提供を可能とした。しかし、内部に菌がいる肝臓の場合、外側の加熱だけでは殺菌したことにならず、内部まで加熱するとレバ刺しとして提供できない。 規制を検討していた厚労省の部会で、加熱以外の方法として示されていたのが、塩素系消毒薬(次亜塩素酸ソーダ)による殺菌だ。全国
大阪市の橋下徹市長が活性化に向けた特区構想を打ち出した同市西成区で、生活保護受給者が働いて得た収入を行政側で積み立て、生活保護から抜ける自立時に一括返還して初期生活費に充ててもらう制度を導入するという改革案を、特区構想担当の市特別顧問、鈴木亘・学習院大教授(社会保障論)がまとめたことが7日、分かった。区民の4人に1人が生活保護受給者という状況の中、受給者の就労・自立を促し、市財政を圧迫する生活保護費の縮減にもつながる一石二鳥の案としており、鈴木氏は近く橋下市長に提示する。 不況を背景に、生活保護受給者数は全国的にも過去最多の更新が続いており、厚生労働省も同様の制度創設の検討に入ったが、自治体の事務量増大などの課題がある。西成区で制度が導入されれば全国のモデルケースとなる可能性もあり、成否が注目される。 現行の生活保護制度では、原則として受給者の就労所得などが増えるとその分保護費がカットされ
東日本大震災の被災地で、過激派「革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)」が、勢力拡大に躍起になっている。公安当局は「震災で吸引力を増した反原発やボランティアを隠れみのに勢力を拡大しようとしている」とみて警戒を強めている。 4日、入学式が行われた福島大近くで、男が新入生に反原発集会への参加を呼びかけるビラをまいていた。 この男は2月中旬、福島大の学生食堂で行われた学生有志による原発に関する勉強会で、「原発をなくすには行き過ぎた資本主義を改善しないと」と力説していた人物だ。机上のテキストは「共産党宣言」。プリントには「マルクス主義学生同盟中核派」と記載されていた。男は東北大の学生で、福島大の質問に「自分は中核派だ」と答えたという。 公安関係者によると、勉強会の主催者はデモでの逮捕歴のある中核派全学連幹部で上智大の活動家だった。参加した学生は「原発事故で興味を持っていったが、団体名は伏せられて
大阪市の橋下徹市長は5日、「平穏な生活を維持しようと思えば不断の努力が必要で、国民自身が相当な汗をかかないといけない。それを憲法9条はすっかり忘れさせる条文だ」と述べた。被災地のがれき処理の受け入れが各地で進まない現状に対し自身のツイッターで「すべては憲法9条が原因だと思っている」と書き込んでおり、報道陣に真意を問われ、憲法9条についての見解を答えた。 橋下市長は「9条がなかった時代には、皆が家族のため他人のために汗をかき、場合によっては命の危険があっても負担することをやっていた」と指摘。 一方「平和を崩すことには絶対反対で、9条を変えて戦争ができるようになんて思ってない。9条の価値観が良いか悪いかを、国民の皆さんに判断してほしい」とも述べた。 「財界、クソの役にも立たぬ。距離おく」9条改正、橋下市長「国民投票で決めよう」
米大統領選共和党候補の指名を争うロムニー氏やギングリッチ氏が訴えていることがある。「英語を公用語に」という主張だ。まるで日本の企業のようなスローガンだが、英語は米国の今日的な問題なのだ。おりしも西部アリゾナ州で、全米の注目を集める「英語裁判」が行われた。英語問題は変わりゆく米国社会を映し出すとともに、今後の日本にも教訓をもたらしている。(坂本英彰)スペイン語の町 ロイター通信などが報じたあらましは以下の通りだ。 舞台はすぐ南側がメキシコというサンルイス。人口2万5千人という小さな町だ。裁判は、市議選に立候補した女性、アレハンドリーナ・カブレラさんをめぐって行われた。 「彼女の貧弱な英語では職責を全うできない」 サンルイスの市長、エスカミラ氏が、カブレラさんの候補失格を求める裁判を起こしたのだ。 英語ができなくて米国民が選挙に出られないことがありうるのか。アリゾナ州には公職者に英語力を求める
広島県のマツダ工場で平成22年6月、侵入した乗用車が社員を次々にはね、1人が死亡、11人が重軽傷を負った事件で、殺人罪などに問われている同社の元期間従業員、引寺利明被告(44)の裁判員裁判が14日、広島地裁(伊名波宏仁裁判長)で開かれ、証人尋問中に引寺被告が証人の元同僚の男性に向かって怒声を上げるなどし、裁判が中断する場面があった。 これまでの公判で、引寺被告は事件の動機として「マツダの従業員の集団ストーカー行為があった」と主張。この日は引寺被告の主張について調べるため、引寺被告が「首謀者」と訴えている元同僚の男性の証人尋問を行った。引寺被告を弁護側の席に座らせ、両脇に3人の刑務官を配置。男性と隔離する形で行われた。 男性は引寺被告と同社の入社式で出会ったが、特に接点はなかったと証言。「集団ストーカー行為はなかった。そういう風には見えない」と否定すると、引寺被告が「嘘をつけ」などと大声で怒
生活保護を申請した男性に同情し、ポケットマネーから約8万円を渡したとして、大阪市は9日、西成区役所に勤務する生活保護の面接相談担当の係長級男性職員(58)を減給3カ月の懲戒処分にしたと発表した。 市によると、職員は昨年6月ごろから継続的に男性の相談を受けていたが、7月29日、男性から「家賃の支払いで困っている」と聞き、このままでは家を追い出されるかもしれないと同情して現金を渡した。 男性は9月から生活保護を受給。訪問したケースワーカーに「職員にお金を返したい」と打ち明け、不適切な支出が発覚した。職員は「生活歴を聞くうちに、家庭の問題など自分と境遇が似ていると思い、情が移った」と話したという。 市や市教委はこのほか、粗大ゴミとして回収した自転車を自分のものにして私的に使用していた環境局の男性技能職員(35)と、顧問を務める野球部の中学2年の生徒が集会に遅刻したことに腹を立て、十数回にわたり太
沖縄県宜野湾市長選(12日投開票)をめぐり、真部朗(まなべ・ろう)沖縄防衛局長の「講話」やメール情報が共産党に流れたことが防衛省に衝撃を与えたが、実は共産党でも動揺が広がっている。1月31日の衆院予算委員会での赤嶺政賢議員による「爆弾質問」の内容が政府側に漏れていたことが分かったからだ。 これを暴露したのは田中直紀防衛相だった。赤嶺氏の質問を受け「この委員会に出席をする前に事務次官からこういう質問があるのではないかという指摘をいただき、局としてそういう事実があってはいけないということで調査している」と述べたのだ。 秘密主義を信条とする共産党にはかなりのショックだった。関係者は「講話問題は機関紙『しんぶん赤旗』にもスクープさせず、赤嶺氏が国会で衝撃的に暴露する戦略だったのに…。明らかに党内から外部に情報が漏れた」と疑心暗鬼を隠さない。 素人防衛相のうっかり暴露は、共産党の動向をウオッチしてき
戦後の古代史学界では古事記・日本書紀の伝承が疑われ、その中で「消された」人物の一人として神武天皇がいらっしゃる。「神武天皇は実在しない」「記紀による創作」とする歴史学者の学説がはやったからである。 しかし、それに対して厳密な史料批判に基づいた実証史学の碩学(せきがく)・坂本太郎博士は「神武天皇以後九代の天皇は実在の人ではないという説は、かなり多くの学者によって説かれるが、それは一つの臆説にすぎず、なんら実証されたものではない」(『坂本太郎著作集』第1巻)としていたし、日本法制史の大家・瀧川政次郎博士も「神武天皇紀の大筋の事実は、終(つい)にこれを否定することができない」(『神武天皇紀の信憑(しんぴょう)性について』)と神武天皇架空説を批判していた。 そして、近年の古代史学界の流れも記紀の記述を裏付ける考古学的発見によって変化してきており、記紀の記載を検証した角林文雄氏は「日本資料は不思議な
1歳の長男に水や食事を与えず放置し、死亡させたとして、保護責任者遺棄致死の罪に問われた無職、和田裕子被告(24)の裁判員裁判の判決公判が2日、千葉地裁で開かれた。波床昌則裁判長は「(長男は)わずか1歳5カ月で幼い命を奪われた」として、懲役3年(求刑懲役8年)の実刑を言い渡した。 波床裁判長は動機について「長男を1人で育てていた中、わだかまりなどから実家や友人らに悩みを相談できず、孤立感や寂しさを募らせて世話をする気力が湧かなくなった」と指摘。さらに「長男は保護を期待できる唯一の存在である母親に、暑い室内に3日間以上放置されており、刑事責任は重い」と非難した。 一方、量刑を同罪の法定刑の下限にとどめた理由について、死亡直後に食事とミルクを長男のもとに持って行ったことを挙げ、「死亡する危険性を認識していたとはいえない」と指摘。また、犯行後に自首したことなども挙げた。 判決によると、和田被告は平
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