日本の貿易構造が転換点を迎えている。特許など知的財産の使用料(発明の対価、下グラフの赤い部分)として日本が得る金額は、直近2年はともに2兆円を超え、リーマン・ショック以前の約3倍になった。対照的に、自動車や電機、素材のような製造業を中心とするモノの貿易(貿易収支、下グラフの青い部分)は振るわない。足元では原油安で輸入額が減少して改善傾向にあるが、年間10兆円を超えていたかつての勢いはない。例えば日本の自動車メーカーは、海外で製品を生産・販売して、現地の子会社からの発明の対価や配当を受け取るモデルへと構造転換を進めている。 発明で稼ぐも、 傾向は「質より量」 国際特許の出願数やその使用料収入では、日本は米国に次ぐ規模を誇る。投資対効果はどうか。1億ドルの研究費が生む国際特許の出願数は、日本は約23件と世界でトップ。しかし、研究投資がどれだけの特許使用料収入を生むかの比率をみると、オランダやイ