東京電力福島第一原発の汚染水対策として1~4号機を「氷の壁」で囲う凍土壁について、原子力規制委員会は26日、東電が「全面凍結」を宣言して2カ月たっても目標通り地下水を遮れていないとして、凍土壁の効果は限定的なものにとどまると判断した。今後は、主に井戸からのくみ上げで地下水位を調整するよう求めており、東電も、来秋までにくみ上げ能力を倍増させる計画だ。 凍土壁は、1~4号機建屋の周囲に1568本の凍結管を地下30メートルまで埋め、零下30度の液体を循環させて土壌を凍らせるもの。建屋に流れ込む地下水を遮断し、新たな高濃度汚染水の発生を抑える狙いがある。約345億円の国費を投じて建設された。東電は3月、建屋の海側部分の凍結を開始。10月中旬に、温度計測点のすべてで0度を下回ったと発表した。 ただ、凍土壁のさらに海側でくみ上げている地下水の量は期待通りに減っていない。東電は26日、規制委との会合で、