フリーキックの守備局面では、フィールドプレーヤーが並んで壁を作り、GKとコースを分担して守るのがセオリーだ。一般的には壁がニアサイドに立ち、GKはファーサイドを守る。このときファーサイドのことを、GKサイドと呼ぶこともある。 なぜ、並べられたフィールドプレーヤーを『壁』と呼ぶのか。それは壁の機能を果たすことが求められるからだ。壁であるからには、その間をボールがすり抜けることは、本来あってはならない。そんな事態が起きれば、コースを分担するという守備の前提が崩れてしまう。 その視点を持った上で、コロンビア戦を振り返ってみよう。前半39分、DF長友佑都のクリアミスからMF長谷部誠が与えたファウルにより、コロンビアはフリーキックを獲得した。キッカーは、MFフアン・キンテロ。左足で蹴ったボールは壁の下をすり抜け、ゴールを割った。前半3分にPKから先制した日本だが、数的優位を生かせないまま、互角で試合