大きな揺れを想定し、耐震壁の横から圧力をかける実験。だぼなどの効果で破損は起きなかった(鳥取県林業試験場提供) 鳥取県倉吉市内の工務店が、日本建築の伝統技術と県産杉板を使った住宅リフォーム用の耐震壁開発を県林業試験場と共同で進めている。 板のつなぎ目に小さな木片「だぼ」をはめ込み、揺れを吸収させることで、震度6強クラスの大地震にも耐えられるという。関係者は「耐震改修と県産材の利用を促進できる一石二鳥の取り組み。東日本大震災の記憶が新しいうちに実用化し、改修ニーズに応えたい」と意気込んでいる。 倉吉市福光の池田住研。同試験場の提案を受けて約10年前から杉板を使った耐震壁の開発を進め、今年3月に共同実験で強度を確かめた。 堅いカシで作っただぼは、長さ9センチ、横4・5センチ、厚さ3センチ。実験では、震度6強の揺れに相当する圧力を横からかけたが、だぼが板のずれを抑え込み、壁は水平方向にゆがんだも