「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」といったユーモアあふれる作品から、「三四郎」「こゝろ」といった人の内面深くを描き出す作品まで、数々の名作を世に残した文豪、夏目漱石。1916年(大正5年)12月9日に亡くなった漱石が、100年ぶりにアンドロイドとして私たちの前に姿を現しました。 アンドロイドを製作したのは、漱石が通った漢学塾の流れをくむ二松學舍大学と、アンドロイド製作で知られる大阪大学。100年前に亡くなった人物を資料に基づいてよみがえらせようというのは、少なくとも日本では初めての試みです。 誰も会ったことがない歴史上の人物をよみがえらせることは、私たちにとってどんな意味があるのか。計画が公になる前から取材を始め、8か月にわたって製作現場に密着しました。 アンドロイドの製作にあたっては、正確に姿を再現する必要があります。漱石は多くの写真が残されていますが、頭の形を再現するために必要な横向