ソフトウェアの規模の増大や作業量の増加のたびに、また多量のバグの発生のたびに、事態の打開を図るために「標準化」への取り組みが浮上します。現場での作業が、人によってばらばらであったり、成果物の内容も担当者任せになっている状況が、作業を混乱させている次一つの要因であることは明らかなので、この“ばらばらな状態”を解決できれば問題は消える、と思うのも無理はありません。 実際、5〜10年の間隔で「標準化」とか「標準プラットフォーム」という形で持ち上がってきます。そうして、取り組んだものの、ほとんどが失敗します。そして、後に残るのは“むなしさ”であり、諦めの思いです。この「失敗体験」のために、その現場では、このあとしばらく「標準化」という言葉はタブーになることさえあるのです。5〜10年の“間隔”が開いているのは、この時に取り組んで失敗した人たちが、その後の何回かの人事異動で現場から離れるのに要する時間