2011年07月20日00:00 カテゴリことば 「す」と言っておくれ(その7) ありんす、ざます、くれなまし。 吉原のおいらんの言葉が独特なのは、方言を隠すためだったと聞く。 たとえば井上ひさしの戯曲「國語元年」(新潮文庫『國語元年』平成元年所収)の、こんなくだり。 加津 いいえ、おたねさんは吉原のオイラン言葉におくわしいではございませんか。おたねさんはいつも、オイラン言葉はバカやさしいと、申されておりましたね。 たね へえ・・・・・・。 加津> ザンス、ダンス、ナンスとなにからなにまで「・・・・・・ンス」で用が足りる、と申されてもおりましたね。 たね (すこし乗って)ソーザンス。なにからなにまで「・・・・・・ンス」で用が足りるダンス。おわかりナンスエ? (略) たね 今の「おわかりナンスエ」の、「エ」は、ものを訊くときに付ける符牒ザンス。 清之輔 たいへんおもしろい!ソイテたねやん、吉