本書『セガ vs. 任天堂――ゲームの未来を変えた覇権戦争(上)』はそうしたハード戦争においてセガが任天堂に対抗できていた一時代を、主にアメリカ(セガ・オブ・アメリカ / SOA、ニンテンドー・オブ・アメリカ、ほんの少しソニー)の視点から、数百のインタビューを元にストーリー仕立てで構成してみせた一冊になる。基本的にはセガ視点が多めで、その中でもSOAの社長であるトム・カリンスキーを主人公として物語は展開していく。 カリンスキーは打倒任天堂を目指した 強固な哲学と資金力を持った圧倒的な敵(任天堂)に対して、資金力で劣るものの打倒任天堂の大望を持ち、新しいマーケティングや新技術を駆使して戦うSOA。そしてSOAの度重なるビジネス上の"大"成功や、彼らが爆走する独自路線に対して頭の固い日本側の反発から起こる内紛──果たしてカリンスキーはSOAで打倒任天堂を果たすことができるのか!?(もちろん無理