作曲家 穂口雄右 近年、音楽出版社や著作権管理業務に対する批判が相次いでいるが、音楽業界の片隅にいる者としては、テレビ局を中心とする放送系の音楽出版社の存在に問題があるのであって、プロダクション系を中心とする一般の音楽出版社については、一部を除いてほとんどど問題がない。またJASRACについて言えば、一部に天下り体質が残っていることと、テレビ局系音楽出版社の役員がJASRACの役員を兼任していることをを除けば、運営状態も良好であり改革も徐々に進んでいる。 最大の問題はやはりテレビ局系音楽出版社の力が強大になったことである。 欧米ではテレビ局が音楽著作権を持って収益を得ることを禁止している国が多いが、その理由はおおむね次の通りである。 音楽の大口使用者であるテレビ局が権利者の立場を兼ねることは、実態として著作権使用料の大幅な値引きを意味する。 テレビのプロモーション力を駆使することで不正競争