安倍晋三首相が「日本を取り戻す」として、わが国を主権国家に相応(ふさわ)しい体制に整えようとすると、それを阻止しようとする勢力が決まって右傾化、軍国主義、国家主義と批判し始める。始末の悪いことに、これが一定の影響力を持っている。 ≪子供にも戦争の恐怖を煽り≫ 昨年12月の総選挙の直前、所在地も形態も異なる高校と中学に通う娘と次男が口を揃(そろ)えて、「安倍政権になると私(僕)たちは戦争に行かなければならないんでしょ?」と尋ねてきた。学校で先生から聞いたという。当時、同種のデマが全国の学校で出回っていたようだ。私は「現代の戦争はハイテク戦だ。訓練されたプロにしかできない。素人が自衛隊に入っても足手まといになるだけだ。徴兵なぞあり得ない」と説明した。子供たちは納得したようだが、戦争の恐怖を煽(あお)って安倍政権に嫌悪感を持たせる動きは早くから始まっている。 首相が意欲を燃やす憲法改正は占領下で