リーマンショック後に、住宅を手放す人が米国で急増し、今でも住宅差し押さえ件数が高水準で推移しているのをご存知の方も多いと思う。アメリカでサブプライムローンが問題になったときのサブプライム層の住宅ローンは、変動金利29.9%、固定金利期間選択型61.4%と、金利変動の影響を受ける層が9割以上を占めていたと言われている。(フレディマック(連邦住宅金融抵当金庫)2006年調査) 実は、このサブプライム層と今の日本の住宅ローンの構成比率は非常に似通っている。 国土交通省発表の「平成21年度民間住宅ローンの実態に関する調査報告書」によると、平成20年度における個人向け住宅ローンの新規貸出額の内訳は、変動金利型36.0%、固定金利期間選択型56.0%となっており、サブプライム層と構成比率はそっくりだ。 しかも、総務省の「家計調査年報(家計収支編)平成21年家計の概況」によると、勤労者世帯に占める住宅ロ
1959年生まれ。栃木県在住。都市銀行勤務を経て92年に公認会計士2次試験合格。09年12月〜13年10月まで公認会計士試験委員(原価計算&管理会計論担当)。「高田直芳の実践会計講座」シリーズをはじめ、経営分析や管理会計に関する著書多数。ホームページ「会計雑学講座」では原価計算ソフトの無償公開を行なう。 ------------ファイナンスの基礎知識が満載!------------ ★高田直芳ホームページ『会計雑学講座』★ 公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略 大不況により、減収減益や倒産に直面する企業が急増しています。この連載では、あらゆる業界の上場企業を例にとり、どこにもないファイナンス分析の手法を用いて、苦境を克服するための経営戦略を徹底解説します。 バックナンバー一覧 最初に個人的な趣味の話で恐縮なのだが、日曜日の正午をはさんで、NHK教育テレビで放送される将棋と囲
英語表記はDuration。債券を保有することによって利子および元本(=キャッシュフロー)を受け取ることのできるまでの期間を加重平均したもののこと。 具体的には、将来受け取る予定のキャッシュフローの現在価値を計算し、それぞれの現在価値が、キャッシュフローを受け取ることができるまでのそれぞれの期間にその現在価値合計に占める構成比を乗じて計算する。つまり、債券投資の平均回収期間を示している。特徴として、債券の残存期間を超えることはなく、クーポンや最終利回りが高くなるほど、デュレーションは小さくなる(債券投資の回収までの期間が早くなる)。 また、デュレーションは、債券投資の平均回収期間を示す以外に、金利がある一定の割合で変動した場合、債券価格がどの程度変化するかを示す感応度の性格ももっている。これをより直接表したものが、修正デュレーションと呼ばれる指標である。修正デュレーションは、デュレーション
WACCなる概念を、ずっと理解できずにいた。その何十年も前に発見された、モジリアニとミラーの帰結に反するように思われたからだ。以前にも似たようなことを書いた*1が、資金調達の手段を変えたところで、その弾を突っ込んでいるビジネスのリスクが変わらなければ、我々はちょうどその分だけ、株式に要求するプレミアムを修正するだけのはずだ。ところが今週末の勉強会で、「資本コスト」が採り上げられることになった。もうすこし掘り下げて考えてみようと、秋空の下で自転車を漕ぎつつ悪戦苦闘していたところ、どうもAPTのミクロ的基礎みたいになってきた。要するに、株式はリスクのポートフォリオで、CAPMのベータは、その線型和として決まるように思われた。簡潔にまとめてみたい。 貸借対照表は、一般に下記のように表現されるが、例えば工場をつくろうとするとき、株主のお金と借金とを、合わせて工面することをイメージしてもよいかもしれ
投資の判断をする上で一番大事な考え方は何かと考えてみた。投資にはいろいろな理論があるし、精神論的な心得にも捨てがたいものはあるのだが、「一つ!」ということだと、「割引現在価値」の考え方ではないか。これは、しっかりとマスターしておきたい基本技だ。 将来のお金の価値は小さい 割引現在価値とは、将来の価値を現在に引き直して評価した価値のことだ。 現在のお金を将来時点まで運用するとプラスの金利が付く。たとえば、金利が5%なら、現在の100万円は1年後に105万円、2年後には110.25万円(100万円×1.05×1.05=110.25万円)になる。この場合、現在の100万円と1年後の105万円、2年後の110.25万円とは価値が等しいと考えられる。 それでは、1年後の100万円、2年後の100万円は、それぞれ現在の幾らと等価だろうか。1年後の100万円の現時点の価値は、は100万円を1.05で割り
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く