紙や布1枚、あるいは縄1本で世界を隔てる「結界」。この感覚は、おそらくは日本人ならではのもの。俗と聖を分離するのみならず、建築の世界、私たちの日常でも、当たり前のように応用されていることに気づきます。 Contents. 紙や布1枚で世界を隔離する 異なる世界への怖れと敬意と 大空間でも応用できる文化性 気持ちを察し合う社会の原点 大空間をつくり曖昧に仕切る 紙や布1枚で世界を隔離する 結界という言葉をご存知でしょうか。 主に、神聖な場と俗世界を区切る意味として使われます。 寺社では山門や鳥居などを結界としており、一般社会と清浄な場とを分ける例としては、高野山や比叡山がそれにあたります。 そうした聖地では「国土結界」などといわれます。 神社のしめ縄などは、ただの縄なのですが、なぜかあちらのエリアに畏れを抱く気持ちになります。 鳥居の下はすかすかなのに、そこをくぐると別世界に入り込むような神
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