信じられないことかもしれないが、ハリー・スタイルズの「As It Was」、ヒップホップのパイオニアであるアフリカ・バンバータの「Renegades of Funk」、マック・デマルコの「僕は一寸」、そしてジャスティスの「Horsepower」には相通じるところがある。その共通部分の中心にあるのは、日本の伝説的なトリオ、YELLOW MAGIC ORCHESTRA(以下YMO)が一つのピークを示した作品、1979年9月リリースのセカンドアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』だ。 1980年代が幕を開けるほんの数か月前に発表されたこのアルバムは、その後の10年間に世界各地で生み出された多くの革新的な音楽の青写真となった。同作は、最も早くエレクトロニックミュージックをポップの世界に持ち込んだ作品の一つであり、最も早く最先端のシンセサイザーやローランド社のTR-808のようなリズムマシン