2022年秋、紅葉狩りを楽しむ観光客で混雑する栃木県日光のいろは坂で、特定の国産コンパクトカーが登り道で相次いで立ち往生するというトラブルがありました。原因は、ハイブリッドユニットに組み込まれていた「DCT(デュアルクラッチトランスミッション)」でした。 DCTとはどういった仕組みなのでしょう。そしてなぜ立ち往生に至ってしまったのでしょうか。 国産の小型車や軽自動車に多いCVT(自動無段変速機)やトルコン付きAT(オートマチックトランスミッション)とは違い、DCTは、伝達性に優れるMT(マニュアルトランスミッション)がベースのAT。まるでマニュアル車を運転しているようなフィーリングが味わえるのが特徴です。 奇数段用と偶数段用の2系統のギアセットとクラッチを持ち、走行中、次のギアをスタンバイさせておくことで瞬時に変速が可能であることから、鋭いレスポンスでダイレクト感のある加速が得られます。