「ありえない」と思われてきた事態が、日一日と現実に近づいている。世界で最も信用力が高い米国債の債務不履行(デフォルト)だ。 期限は8月2日。それまでに米議会が現行14.3兆ドル(約1130兆円)の連邦債務の法定上限を引き上げられなければ、政府の現金は底をつき、公務員への給料支払いや社会保障の給付が止まり、行政サービスが深刻な停滞を余儀なくされる。 だが最も心配なのはデフォルトによる金融市場の混乱や世界経済への打撃だ。市場はまだ「ありえない」と土壇場での決着を信じようとしているが、円相場が一時、1ドル=77円台に突入するなど、次第に緊迫の度合いが高まってきた。 米格付け会社、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが初めてトリプルAという最高位の格付けを与えた1917年以来、1世紀近く最もデフォルトから遠い位置にあった米国債である。想定外の事態に陥った時の影響は極めて予測しがたい。 ところが市
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