(2009年7月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 「気候変動の否定論者」という言葉には、不快な響きがある。これは、地球温暖化について科学の主流に異議を唱える人々を「ホロコーストの否定論者」と結びつける言葉であり、ここには、彼らがただ間違っているだけでなく、邪悪であるという含みがあるからだ。 だが、気候変動と戦う活動家の団体も、別の形の危険な幻想にはまり込んでいる。科学ではなく、国際政治について現実否定に陥っているのだ。 現時点で、地球温暖化問題に対する取り組みはすべて、12月にコペンハーゲンで開催される国際サミットに向けられている。しかし、コペンハーゲン会議で、国連の気候変動に関する政府間パネルが定めたような二酸化炭素(CO2)削減目標を盛り込んだ合意が成される可能性は、ないに等しいほど小さい。 成果を期待できないコペンハーゲン会議 多くの活動家は内々に、これを認めている