近年、生鮮マグロを食べた人が、食後短時間で下痢や嘔吐など食中毒症状を発症する事例が全国的に広がっている。その原因として疑われているのが、粘液胞子虫(クドア属)である。粘液胞子虫とは寄生虫であるが、顕微鏡でなければ見えない大きさで、肉眼では発見できない。 このクドアによる食中毒は、2011年6月に厚生労働省によって新型食中毒として扱われることになった。その第一号が、養殖ヒラメのクドア汚染による食中毒であった。これにより、食中毒統計で養殖ヒラメのクドア食中毒実態が明らかになった。同統計によると、11年6月から12月までの6カ月間に、クドア食中毒患者は19都道府県で492人も出たことが判明し、クドアによる食中毒が全国的に広がっていることが明らかになった。 そして今、生鮮マグロによる食中毒の原因物質として、このクドアが疑われている。東京都健康安全研究センターが11年4月から13年2月の間、マグロ類
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