どんなものであれ、関係が壊れるのを目にするのは、決して愉快ではない。ギリシャのアレクシス・チプラス首相は、自国に屈辱を与えようとしていると債権団を非難した。同首相はさらに、ギリシャの苦難に関して「犯罪的な責任」があると、国際通貨基金(IMF)を責めたこともあった。 一方、ユーロ圏の有力政治家たちは、今後数日以内に救済資金の拠出で合意がまとまらなければ、ギリシャのデフォルト(債務不履行)とユーロ離脱(いわゆる「Grexit=グレグジット」)が現実味を帯びると公言している。 事態が切迫しているのは、IMFへの15億ユーロの返済期限が6月30日に迫っているものの、ギリシャには返済する余裕がないと見られているうえに、欧州によるギリシャの救済プログラムも同日で失効することになっているからだ。 こうした状況の中で、ユーロ圏の名物と化した土壇場での交渉が始まっている。本誌(英エコノミスト)が印刷に回され