「働かざる者食うべからず」と言われたのも昔の話。今や働く者でも満足に食えない時代になった。そんな世相を象徴するのが「ワーキングプア問題」だ。ワーキングプアというキーワードがメディアを賑わすようになって久しいが、労働環境は一向に改善される気配を見せず、むしろ景気の低迷と共にますます深刻化していく懸念が強い。そんななか、企業や行政に頼らずに、“あの手この手”を講じて立ちあがる労働者が増え始めたのを、ご存知だろうか?(取材・文/友清 哲) 「働けど働けど、わが暮らし楽にならず・・・」。総務省が発表した昨年11月の完全失業率は、15~24歳の若年層が8.4%を占めた。ハローワークに長蛇の列ができる光景も、珍しくない。(撮影/宇佐見利明) 「ワーキングプア」と呼ばれる立場にある人を探すことが、これほど簡単だとは思わなかった――。 本稿執筆のために情報収集を始めた矢先に、筆者が抱いた正直な感想である。